雛菊の空の中を 私は歩いていこう

■「ありがとう、さようなら」瀬尾まいこ
■「七姫幻想」森谷明子
◇「ｆの魔弾」柄刀一
◇「学歴と格差・不平等」吉川徹
◇「格差社会」橘木俊詔
◇「フリータ・ニートになる前に読む本」鳥井徹也
◇「論争　格差社会」文芸春秋

私は今、有栖川有栖のエッセイを読んでいる。その中の文学賞の書評に「柄刀一」という作家名があった。他にも沢山の人が書評されて、絶賛されたりなんだりしているのに、はっきり覚えているのが彼一人だった。なんて読むのか分からない、癖のある、だけど気になるＰＮなんだと思う。そして、手にとって、ページを開いた場所の余白に鉛筆で書き込みがあった。この本は図書館のもので、誰かと共有しているものである。普段なら書き込みは許せないタイプだが、真面目な感想（書評）だったので好感を持った。以下、引用する。「久々の本格推理。トリックも失望させない。密室殺人小説の教科書のよう」。こんな風に書き込まれていて、読まずにはいられないと思った。誰が書いたのかは分からない。だけど、なんとも素敵な煽り文である。書き手のおかげで素敵な本に出会えた・・・！と思えるのかどうかを、早速確かめてみようと思った。そして、出来ることならこの書き込みが消えずに、また誰かがこの本を読むきっかけになればいいと思う。