Manager in fountain

砂漠に延々と水をやる仕事についた「私」。虚しさだけが込み上げてくる毎日。近くに自分専用の泉がコンコンと湧いているし、食べ物も100年分くらい貯蔵されてあるので、餓死はしないけど、それにしたって酷い仕事だ。それに、砂漠にどんなに水をまいても一向に緑化しそうな気配はない。一度、「こんな仕事、やめてやる!」と思って遠くまで逃げてみたけど、水がなくなったのですごすごと帰ってきた。種をまいても、芽もでやしない。まるで自分の人生のようだなどと悲観しつつ、最近は水やりなんかせずに本ばっかり読んでる。だらけた生活バンザーイと、半ばヤケになっている「私」のもとにやってきた、同じ仕事をしているという青年。もちろんウエルカムだ。彼も長い間一人で旅をしてきたようで、他者との会話に飢えており、二人は何日もビール片手に語り合う。それで、彼が実は他国から逃亡してきた犯罪者で、幾度も同じような手口で泉の管理者を殺しては飢えをしのいできたりことが判明したり、泉の管理者としての仕事につく前の自分の過去をまったく思い出すことができない「私」の秘密が明らかになったりする前に夢から覚めた。