波に揺られてどんぶらこ

最後の授業である五限目。隣に座っているTさんは毎回のように深い眠りへと誘われている。最初は起こしていたが、最近は放置ぎみだ。今日は彼女のためにひとつ物語をこしらえてみた。「彼女は毎時間、決まった時間に船を漕ぐ。彼女は腕のいい船頭になれるだろう。彼女は川へと急ぐ。波がゆらめくときを察して、箱舟へと乗り込むのだ。そして今、丁度、三度目の大航海時代に突入した。今回の旅は時間がかかりそうだ。しかし、後悔はしていない。彼女だけが川岸へと渡れるのだ。私たちは何もしてあげることはできない。彼女が自分で選んだ道を否定はできない。ただ、そっと見守るだけだ。ハードボイルドォォォォォ」。最後らへんが(むしろ全体的に)意味不明なのは、書いている私も眠いからである。しかも、ノートでなく、机に鉛筆で走り書き。でも、先生が脱線した際に書いているので、ちゃんとノートもとってるし、話も聞いてます。船頭のTとは違うのはそこら辺だろう。そういえば、他の友人が一番厳しくて有名な先生の授業時に眠っていたときのこと。「あまりに気持ちよさそうに船をこいでいたから怒れなかった」と後から言われたらしい。授業は真面目に聞きましょう。ま、どんなに一生懸命聞いていてもわけの分からない授業をする先生もいるけどさ。