笑の大学(☆☆☆)

集中して見たい映画。主演は役所広司稲垣吾郎。舞台は昭和15年。日本は戦争への道を歩み始めている最中で、民の娯楽である演劇は規制され、台本も上演前に検閲を受けていた。そんな時代に、警視庁の取調室で出会った2人の男が生み出した最高の喜劇。頑固で真面目な警視庁の検閲官・向坂(さきさか)と、腰が低く笑いにどこまでも命をかける劇団“笑の大学”の喜劇作家・椿一(つばきはじめ)。向坂が無理難題を押し付けても、それに必死になって新しく、より面白い脚本を作っていく椿一。そのやり取りの中で、向坂の「笑」に対する感情も次第に膨らんでいく。対極的な二人の掛け合いが面白い。だけど、途中で集中が途切れると何をしていたのかさっぱり判らなくなる。静かな笑いが好きな人にはいいのかも。笑いだけじゃなく、ヒューマンドラマ的な面白さがあるので、このDVDをお笑い芸人と同じ棚に置くのはどうかと思います、近所のビデオ屋さん。